見ました。主人公がゲイ、ということでずっと気になっていた映画でした。
110分ほどの映画なんですけど、主人公・シャロンの幼年期、少年期、青年期をそれぞれ切り取って描いています。
率直に言うと暗い、でも美しい映画でした。
そしてものすごく切ない…。すこし泣いてしまった。胸がきゅっとしめつけられる切なさがありました。
いじめられている、少年期・シャロンのあの行動。
いじめの主犯格の少年を殴って、あっという間に逮捕されて、そのパトカーの中で、親友、そして想いを寄せる相手・ケヴィンを見つめるシャロンの目。一瞬のことだったけどあの目がホントに辛い…。
この作品は一貫して、シャロンの目、表情・しぐさがすごく印象的でした。
幼年期、少年期、青年期、どのシャロンも別の俳優さんが演じているのですが、それぞれの俳優さん見た目みんな違うけど、
みんなシャロンで違和感なかった。すごい。
この映画で扱っているのは同性愛だけじゃなくて、黒人差別、母親のネグレクト、学校でのいじめ。
親代わりになってくれるクスリの売人・フアンという男性との出会い。親友・ケヴィンとの浜辺でのキス。
色んなことを経て、青年期のあのいかつくて強そうなシャロンがいる。
いじめられないために自分を変えようと思ったのかな。そして亡くなってしまったフアンみたくなりたくて。
終盤、ケヴィンと再会したシャロン。
シャロンのさ、ケヴィンを見つめる目がホント抱きしめてほしいとかいうそういう物欲しそうな感じでいい。抱かれるシャロンがほんと…もう…よかった。よかったな…シャロン。ふつうに子供もいて女好きなケヴィンはシャロンをどう思っているかはわからないけど。これはシャロンの物語だからケヴィンの気持ちはわからないまま。
ラストのラストのカットはカメラ目線の幼少期のシャロン、でエンドロール。
映像もすごく綺麗だし、お話も淡々とした話ながらすごくすごく良かった。また時間が経ったら見たい。
なんとなく暗そうだしって避けてて、でも気になってたから、今日は「ムーンライト」を見れてよかったです。
好きな映画に「僕を葬る(おくる)」って作品があるんだけど、あれも映像が綺麗で好き。
それがまた見たくなってきたし、なんとなく、グザヴィエ・ドランの作品も見返したくなってきた。