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※TV版S2をリアタイで見終わったときの感想はこちら
Amazonプライムで配信されているディレクターズカット版。
TV版では放送しなかった未公開映像もあるというので、時間がある時に少しずつ見ていた。気の進まない時は全く見なかったので全話見終わるまでに大分かかってしまったが、この度田中圭さんのドラマが見たいブームがまた来てるので一気に最終話まで見た。
『おっさんずラブ』とはなんなんだろう?と考えた。
単発、不動産編(以下S1と書く)、空編(以下S2と書く)と3本に渡って描かれた作品。一貫して登場するのは、「春田創一」と「黒澤武蔵」というキャラクター。
このシリーズは武蔵と春田の物語なのかなと思う。単発でもS1でも武蔵は春田にフラれ、春田はごく近くにいるよく出来たイケメンたちとお近づきになったり、結婚したり。セオリー通りにいけばS2もそうなるはずであった。が、今回は違う。初めて春田が武蔵に対して、好きになってもいいですか?と言った。シリーズを通して見てきたが、改めて見るとこの告白は恋愛とかそういうので片付けていい告白ではない。友愛尊敬とか、人として尊敬していて好きで。でも、春田には恋愛なのかなんなのかわからない。多分きっとキスしたいとかそういうのはなくて、ただ隣で幸せを見つけていきたい。一緒に居たい。武蔵がパイロットを辞めるからこそ初めて沸き上がった感情。きっと、恋愛なんていうテンプレートには嵌らない感情なんだと思う。
S2の最終回初めて見たときはなかなか気持ちの整理が付かなかったが、そう思うと今回は落ち着いて見れた。
確かに話の荒は目立つし、ディレクターズカット版もなんでこのシーンをカットしたんだろうてシーンも沢山あった。なんか惜しい。
でも終盤にかけて、成瀬がシノさんを好きで、なんて話の方向性が固まる頃には楽しく見れるし、とにかく成瀬が可愛いのだ。シノさんに対する成瀬が可愛い。恋愛下手過ぎるのも笑える。
それにシリーズによって、春田はすこしずつ違うキャラクターなのもいい。
単発はごく普通のサラリーマンで、S1はお人よしでポンコツで優しくて、S2はS1の春田を少しなぞっていても微妙に違う。S2の春田はごく自然に男が好きな自分を受け入れる。そして嫉妬心から暴走して好きだと告白、衝動的にキスをしてしまう。成瀬を性的に見てるのはきっと間違えないだろうなという瞬間。これはS1の春田にはなかった。全く別物の春田なのだ。まあ、この後も成瀬と春田は手を繋いだりするけど、叶わない恋だけに切ないね…。
S2はキャラクターたちの「好き」という気持ちが当たり前に受け入れられる世界で、こういう点もすごく良いと思う。
勿論私の中でいちばんはS1で、牧くんと付き合った春田も勿論好きなんだけど、S2はS2でいいところがたくさんあって、これもひとつの『おっさんずラブ』なのかなとやっと気持ちの整理がついた。
(しいて言えば人間関係はもうちょっと話はシンプルでもよかったかもしれない。シノさんと成瀬がメインで…となると、おっさんずラブのタイトルが付けられないなw)