ねこのこうとうぶ

好きなもののこととか。だいたい独り言。

映画「青春の殺人者」雑感


The Youth Killer trailer

1976年の映画。
ちょっと前に見た「太陽を盗んだ男」が面白かったので、気になってたやつ。
探してたらアマプラにあったので思わず視聴。

水谷豊さん演じる主人公・順が恋人・ケイ子との交際を反対されて、衝動的に父親を殺してしまう。勢いあまって母親も、だ。
前半40分くらいはその描写で、血で染まる室内での母親と順の攻防というかやりとりが凄惨。順の母親が息子溺愛ママで、多分夫が死んでしまったショックもあるんだろうけど、情緒のほうがアレで…まあとにかく凄まじい。息子を匿い殺人を隠して、一緒に暮らそうというのだ。15年も経てば時効だと。それまで自分が面倒みるからと。気でも狂ったのか服を脱ぎだして息子にせまる始末。なんともまあ、狂気沙汰だ。
しかし、そんな市原悦子さんの演技がすごい、見入ってしまう…。ぶっちゃけあまり出ているドラマを見たことがなく、有名な家政婦ドラマのイメージしかなかったんだけど、すごい女優さんだったんだなとしみじみ思う。

後半は恋人・ケイ子との逃避行。両親の死体を毛布で簀巻きにして、重りを付けて海に捨てて遠くへ…。そんな順も順で、殺人を犯してしまった罪悪感や、果たしてケイ子を信じてもいいか…とか色々グルグルしてしまって、何度も自分のそばからケイ子を引き離さそうとする。手首を切ったり、店の柱に紐を括り付けて自殺をしようともする。それでも臆病者の順は死ねない。挙句、営んでいたスナックを火事で失ってしまう。
何もかも失ってしまった順はケイ子を置いて、運送業者のトラックの荷台に単身乗りどこかへ運ばれる…。それでエンドロールだ。

ハタチそこらの、幼さが残る青年が引き起こした殺人事件。タイトル通りのお話といえばそうなんだけど。
面白いとは違うけど、思わず見入ってしまう魅力はすごくある。水谷豊と市原悦子の演技が光る。わき役に桃井かおり地井武男がいたりしてめちゃくちゃ若いけど、桃井かおりは声が独特で存在感がすごい(笑)


いちエンタメ作品としては太陽を盗んだ男のほうが私は好きだけど、やっぱりこの監督の作品にはなんか惹かれてしまう。
何より、主題歌を歌うゴダイゴの曲がとてもいい。若かりし頃の水谷豊さんもめちゃくちゃカッコよかったです…。


若い頃の水谷豊さんが良すぎて、気になってたドラマ「傷だらけの天使」を見始めた。
ショーケン演じるオサムの弟分・アキラ役。この映画より2年前くらいなので更に若いし、どことなく可愛いし。(2話でオサムに可愛いって言われてて反応が可愛かった(笑))