【2022/5/16更新】
コメントでご指摘がありまして、記事内の吉田くんと伊藤くんのお名前が逆になってたので修正しました(;'∀')
今まで気づかず申し訳ございません。ご指摘頂きました相原様ありがとうございました。
Like Grains of Sand 渚のシンドバッド 予告編
つい先日見返したので少し書きます。
好きな映画の1つなんですが、見るの何回目だろう…。3回目くらいかな。
見た時の自分が感じた「いいなこの作品…」こんな気持ちが好きで心地よくて、あんまり何度も見ないんですが、
2度目、3度目と見返すと前に見たときに気づかなかった発見やこの人こんな時にこんな顔してたんだ、って思うこと多くて、たまに見返すのもいいですね。
同性に想いを寄せる伊藤くんと、伊藤に慕われる優等生・吉田くん、
伊藤に接近してくる大人びた近寄りがたい女の子・相原さんの3人にフォーカスを当てた青春映画。
予告でも冒頭に出てきましたが、伊藤くんが精神科の先生に診察シーンが本当に印象的。(ちなみに先生役は監督自らやってる)
"セックスってコミュニケーションだからね"的なセリフ。ああ確かに…そうだよなぁって思った。そこまでしてしたくないなぁとか。
あとは、改めて見ると、伊藤くんのお父さんのセリフや行動が1つ1つがショックで無神経で辛かった。
そもそも伊藤くんがなんで精神科に行ったかというと、お父さんにゲイだということがバレてしまったからなんですね。(伊藤くんがゲイ雑誌に投稿した返事の手紙がお父さんに見つかってしまったのです…。)
お父さん堅物そうだし年齢的にもそう思ってしまうのは仕方ないのかな、とか。
あとは、離婚した母親の話になってお父さんが「お前が男なら俺の気持ちもわかってくれたのにな…」的なセリフを呟くシーンがあるのですが、ここも胸がきゅうっとなった。伊藤くんが怒ったとかそういう描写はなかったのですが、翌日学校を休んでいたので…ね。
伊藤くんがクラスメイトからホモだってからかわれるシーンがあるんですね。そこをすかさず吉田くんがかばってくれる。
吉田くんは基本的にみんなに優しくて、伊藤くんが告白した時も「気持ち悪い」とも「嫌いだ」とかにもならなかった。でも、吉田くんの身体は自然と伊藤くんを拒否してるのが見て取れるキスやハグシーンがある。どんなに優しいそぶりを見せても、唇を拭う吉田くんが残酷だ。
しまいには、吉田くんは相原さんに想いを寄せてしまうんだけど、二人の会話の中で吉田くんは伊藤くんに対して「あんな変態」的なセリフを口にすることがある。優しさは本当に残酷だ…。
17歳、高校二年生。大人のような子供のような、そんな曖昧で不安定な高校生たちの恋愛模様を描いております。
辛い描写も多いけど、ラストは学校を休んだ相原さんを探して、伊藤くんと吉田くんが海に行くシーンがあるんですよね。撮影地が長崎県らしいのでその海だと思います。これがすごく綺麗。
なんかもう色々あってぐちゃぐちゃで、特に伊藤くんと吉田くんの関係が今すぐでも崩れていきそうなくらい脆く見えた。伊藤くんは泳げないのに海の入っていこうとするものだから、相原さんが「助けて死んじゃう」って言って吉田くんが助けに入る。なかなか目を覚まさない伊藤くんに対して、人工呼吸、マウストゥーマウスですよ…。実は起きてた伊藤くんは「やればできんじゃん」って言って、相原さんが泣きながらふたりに浜の砂をかけるラスト。これがなんかもう、ものすごく好き。
なんかね、やっぱり好きなんですよね、この映画。辛いところも本当に多いけど。
伊藤くん役の岡田義徳さんの表情とか、相原さん役のあゆの演技がすごく…すごく…いい。伊藤くんと相原さんが留守の家に不法侵入して、二人で語り合うシーンとかも、ものすごく好きなのです。(不法侵入犯罪だけどw)
同じ監督の「ハッシュ!」も良かったんですが、こういう瑞々しい作品がとてつもなく好き。
伊藤くんは強く生きていてほしい。