ねこのこうとうぶ

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【映画】「ミステリアス・スキン」 雑感

見たので少し。畳みます。




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この作品、日本では劇場公開もされたことないらしく、2005年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でのみ上映されてきりみたい。
知ってからずっと見たかったんだけど、配信もないし、見れるのは円盤のみ…ということで、探してたんだけど、ふとAmazonを見てたら新品が販売されてたので、やっと手にいれることができました。


ストーリーは、幼少時に野球チームに入っていた男の子ふたり(ニールとブライアン)がコーチ(男)にいたずらをされてしまって、大人になった現在でもその傷を抱えて暮らしている、というお話。ブライアンは、そのことがあまりにもショッキングで、いたずら=宇宙人に誘拐されたと思い込み宇宙人オタクになり…ニールはもともとゲイなので(小さい頃に男性に惹かれるシーンがあります)、そのコーチのことがおそらく好きで忘れずにいる…そして若いながらも男娼としてお金を稼ぐという…。

なんというか、少年への性的虐待、というデリケートなテーマをとりつつも、作品自体はすごく淡々としていて、でも後から重さがずん…とくるというか…ラストもニールがブライアンへコーチからの虐待があったと告白するのみ、静かに幕引きをしていくので、これからこの子たちはどうやって暮らしていくんだろうと…ハッピーエンドとはいいがたいラストでした。

男娼として男客をとるニールは、様々な男たちに出会います。
コーチのことが心にあり、たぶんきっとどんな男の人と寝ても心も身体も満たされないのかと思います。
コンドームすら知らなかったニールの無知がほんとうにしんどいし、やっと見つけた昼の仕事の帰りに、粗暴な男にレ○プされてしまうのもほんと…。血だらけで電車に乗ってる姿があまりにも痛々しい。

ブライアンは、劇中で女性に迫られることがあり、拒否をしてしまいます。
記憶にないけれどコーチのトラウマのこともあり、もしかしたら性的なこと全般が受け入れられないのかもしれません。

一言で面白いとはいいがたいけど、100分ちょっと息を飲むのも煩わしいくらい、見入ってしまう良さ、みたいなものはすごくありました。ニールの親友たちもすごくニールのことが好きで、心配してるんだなぁというシーンが凄く好きでした。

ニールを演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットが本当に美青年だし、飄々としたニールを演じる演技…すごかった。有名な俳優さんみたいだけど、知らない俳優さんだったので調べたら他の作品も見たくなってしまいました。


見てよかったです。
苦しいシーンもあるけど、インタビューやコメンタリーも収録されたのでそのうちまた見返したいと思います。