ねこのこうとうぶ

好きなもののこととか。だいたい独り言。

【ドラマ】モアザンワーズ 雑感

Amazonプライム・ビデオオリジナル作品として、9月16日(金)から配信が始まりました。

原作は絵津鼓先生の漫画『モアザンワーズ』『IN THE APARTMENT』より。この先生のIN THE APARTMENTという作品は読みたかったのですが、ドラマ見てた時点では未読。

美枝子とマッキーは同級生で、とあることがきっかけで仲良しになる。一緒に応募した居酒屋のバイト先で出会った永ちゃんと仲良くなり3人はつるむようになる。まず3人の楽しそうなシーンが本当に心の底から楽しそうで仲が良さそうで本当に羨ましいくらい良かった。海のシーンとかバーベキューのシーンとか本当に。

美枝子は男嫌いで、永ちゃんはゲイで、マッキーのことが好きで…そんなことがチラチラ見えてきてから少しずつ3人の関係性が変わってくる。
マッキーと永ちゃんは付き合いを始める。二人でバスケをしたり、キスをしたりそんなシーンがめちゃくちゃ美しい。でも楽しいことばかりではなく。永ちゃんの父親に二人の付き合いを反対され、しまいには別れてくれ、と言われてしまう。未来がない、跡継ぎがいない、という理由で。父親にもアメリカの親友がゲイで、その人が酷い目にあったからそんな息子は見たくない、というのも理由なんだろう(これはドラマ版ではマッキーのみ父親が話していた)

ここは日本だし、父親の価値観が少し古いというか…なんかここがすこし気になったけど…。
二人に分かれてほしくない、二人といたい…そんな美枝子の提案で、美枝子は二人の子どもを産むことを決意する。

紆余曲折あって美枝子は赤ちゃんを授かる。
少しずつ、永ちゃんの気持ちが美枝子に向いてきて、マッキーは離れていって…2人のためを思ってこういうことになった美枝子は一体どんな気持ちだったんだろう。もう終盤は出産に一直線だったので、美枝子の気持ちは描かれてない。

優しくて年長者の永ちゃんがなんともなぁ…頼りないというか…。美枝子が赤ちゃんを産むと言った時に(確か)反対も何も言わなかった永ちゃんがあまり好きではない。マッキーが離れて行った時もそう。

月日が流れて、美枝子が出産をし永ちゃんは美枝子と入籍をした。この時、永ちゃんはマッキーのことは一体どう思っていたんだろう。目の前の幸せのほうが大事だったんだろうか。そういう描写が一切無かったのでわからない。

マッキーもマッキーで2人から逃げるよう一人きりになって、越してきたアパートで同級生の杉本に再会した(ここからIN THE APARTMENTの話)
まるで野良猫のように杉本の家に通うマッキー。少しずつマッキーを受け入れていく杉本。IN THE APARTMENT はBLなのでそれっぽい描写が多々あったけど、マッキー役の俳優、青木柚くんがすごい。マンガ読んでからドラマを思い返すと、まんまマッキーなんだよな。浮ついて見えて心ここに在らずなマッキーがリアルにいた。

杉本と美枝子は専門学校時代の同級生で、マッキーは美枝子と永ちゃんと再会するんだけど、もう3人ではいられない、そんな喫茶店のシーン。
茶店の帰り道、マッキーを抱きしめる杉本のシーンが切ない。

美枝子と娘のしほとマッキーで3人手を繋ぎながら歩いて分かれていくのがラストなんだけど、美枝子はどんな気持ちで歩いたんだろう。バイバイと別れていくシーンはもう交わらない2人みたいなシーンで物悲しくなる。ここまでの今までを思い出して涙が溢れてくる。マッキーと再会した永ちゃんは部屋で1人嬉しそうだけど一体何を思ってたのか、また3人でいるつもりだったのか。何より3人でいたかった美枝子はこうなってしまったことを後悔してないのだろうか。

見終わったあとはなんとも言えない寂しさを感じるドラマ。でも、演出からロケーションから音楽から全部よかったんですよね。

美枝子役の藤野涼子さん、マッキー役の青木柚くん、特にこの2人がすごい、リアルというか自然な演技で見入ってしまう。

面白かった、と手放しで言ってしまっていいのか、でも心揺さぶられる作品。よかったです。

とりあえずモヤモヤする人はIN THE APARTMENTまで読んだ方がいい。マッキーが救われるので。