ねこのこうとうぶ

好きなもののこととか。だいたい独り言。

「MUSICUS!」ネタバレ感想

終わったので感想をば。

プレイしたのはCF支援したので化粧箱版(パッチあててR18にしました)
楽曲を収録したCDとオバフェスBD目的でコース選んだけど個人的に大満足でした。

何者にもなれない真っ当な人生レールを外れてしまった対馬くんが、バンドマン・花井是清という男に出会い、
花井という男に、そして音楽に、ロックというものに呪われて生きる話、かな、とか思ったり。

対馬が結成したバンド・ドクターフラワーがなかなか売れなくて葛藤してもがいてもがいて、貧乏でもどんなに苦しくてもう辞めようかなってなってもバンドを続ける。ステージにあがるとどうでもよくなるから。

キラ☆キラに引き続き、MUSICUSもバンドのお話です。

以下、いろいろ感想。
※ネタバレしてるので未プレイの方にはお勧めしません。

no title(澄)ルート

一番最初に見たエンディング。
このルートの衝撃たるやすさまじい。

確か花井さんが残した曲をドクターフラワーの新曲として発表しよう、という選択肢をずっと選んでいったらたどり着いたんですけど、だんだんと対馬くんが黒いほうへ堕ちていく様が胸が痛いし辛い話だった。

風雅が無理して倒れてしまったり、だんだんとバンド内が不穏に…そしてバンドは解散。ひとりきりとなった対馬君は、生活のすべてを音楽に注ぎ込みながら、身寄りのない女性・来島澄に依存して生きている。
音楽のことだけ考えて。自分の思い描く音楽のことだけ考えて。
そんな澄も交通事故に合って亡くなってしまう。澄との間にできた子供を一度は拒絶し、でも考えを改め子供も産んでほしいと伝えようと思った矢先だった。
対馬くんは部屋に引きこもってひたすら、この悲しみや辛さを音楽に込めるのかな…というエンディング。

ひたすら辛くて、そしてゾッとする。
すさまじいエンディングだった…そしてプレイ後は少し落ち込む。

三日月ルート

メインヒロイン・三日月のルート。
このルートは澄ルートと違って、ドクターフラワーがメジャーデビューで成功を収めるんです。
やりたくもない仕事もあるけれど、でも一生懸命活動して、有名音楽番組に引っ張りだこで、ドクターフラワーはめちゃくちゃ売れた、というルート。

三日月のルートは感想を言葉にするの難しい…。
でもすごくいい話で、三日月が歌う意味を見つけ出すこととか、ストーカーに襲われて歌えなくなるとか、辛いところもあったけれど、やはり対馬と三日月は花井から授かった「音楽」を死ぬまでやっていくんだなと感じる。それが運命なのかなんなのか分からないけど、でも結婚まで約束した対馬と三日月がそれを破棄してまで音楽を続けていくバンドに対しての真剣さが本物だ。
彼らにはそれが、「ドクターフラワーが人生」なんだ。

なんかさ、めちゃくちゃ泣けるってわけじゃないけど、対馬・三日月の人生を追って見ているようで、このルートは何度も泣いた。
そしてスタジェネはいい。八木原さんカッコいい。

弥子ルート

弥子ルートは対馬くんがバンドより普通の生活を選択した話です。
でも、この話でも定時制のメンバーで文化祭でバンドやろーぜ!ってなるんだけど、三日月・澄ルートに比べて、なんというか年相応な対馬くんが見れます。めちゃくちゃ青春です。
学際バンドを成功させて、花井のギターを返すところで号泣。三日月ルートでは音楽で成功を収めてこの先も音楽のために生きていくんだろうけど、きっとこういう大学受験をして大学に入って医者になって弥子ちゃんと結婚して…みたいな人生もきっとあったんだなと思う。弥子ちゃんと人並みに高校生っぽいことしてるのは微笑ましい。
各ルートの中で弥子ちゃんに告白したり、デートしたりと一番人間らしいルートかもしれない。

めぐるルート

ひたすらライブが楽しい、めぐるさんの思考にちかいみたいな選択肢を選んだら入るルートです。
めぐるさんの過去にいたっては少しだけ予想はついておりましたが、なんかやっぱり辛いよね…。本人があまり感情を表に出さない分。だから、対馬くんにだけは本音を言ったり、泣いたりするめぐるさんがすごく愛おしかった。好きです。
あとは、めぐるさんの師匠の話も…こういう話弱いから、号泣してしまった。でもラストは爽やかですごくよかった。めぐるさんとはバンドメンバー以上恋人未満、みたいな関係に落ち着いてしまったけれど。


以上、攻略した順に各ルート感想でした。
一番好きなルートは、昔だったらきっとno title(澄)ルートだったんだろうけど、三日月と弥子ちゃんの話かなぁ。めぐるも捨てがたい。
でもno titleも瀬戸口さんのテキストの味が存分に出ていてすき。

好きなキャラクター

花井是清
なんといっても花井是清ですね…。
この話の主軸は対馬くんと三日月が継いだ花井さんの「音楽」。対馬くんは花井さんのバンド「花鳥風月」に魅せられてバンドを始める。花井さんの妹である三日月はもともと花井さんの影響をうけつつ、引きこもりながら歌を歌っていた。対馬くんに誘われてバンドをはじめる。
その「音楽」というのは花井さんの呪いみたいなもんなのかなと思います。
この作品のヒロインは花井是清なのでは?と錯覚すら覚えます。だって可愛くないですか?音楽しかできないのにパン屋で働きたいとか言ってしまうこの人…。社会性が全くない。バイトはすぐクビになる。ポンコツ。でもすごく愛おしい。本当に出番は共通ルートの最初のみで、でもとてつもないインパクトを持ってる人ですよね。

金田
いろんなレビュー見てると、金田うざいとか言われてるけど、あー確かになぁ…モラルに欠けてるし(笑)キモイ(笑)と思うし、でも私は金田が好きです。
作中では詳しく明かされてなかったけど、まあ壮絶な幼少期を送ってきていると思う。でもなんか変に尖ってるのは見た目だけで、根は優しいんです。変に性根がひん曲がってない。時たま、心に来るいいことを言う。澄ルートでは本当にいいやつだったと思う。まあ、クズではあるけれど(笑)

対馬
作中でもサイコパスだ感情がないとか三日月や金田に散々言われてるし、作中でも見ててサイコだなと思うことが多々あるんですけど、嫌いになれない。なんでだろう。理由をうまく語れないけど。瀬戸口さんの作品の主人公と思われるキャラクターってみんなそういう感じで、私はなんだか嫌いになれない。ある意味そこが魅力だと思います。

高橋風雅
おっぱいあるけど、どことなく男性ぽい顔をしてたので男の娘だったらいいなーとか思ったら本当にそうだった。ひたすら萌えます。それだけでご飯がすすみます。可愛いけど男性の面も残りつつなキャラデザでとてもいいです。
残念な個所をいえば、もうすこしセクシーな風雅くんのCGが見たかった、自宅でお風呂鉢合わせしちゃって…とかさぁ、そういうのが出会いのあの一枚ぽっきりなのは惜しまれますね。

三日月も弥子ちゃんもめぐるも、プテラノドンのメンバーももちろん八木原さんも、学校のメンバーも対馬家のご両親もみんなみんな好きです。エロゲなのに最終的に男性ばかりになってしもうた…。

好きな曲

音楽は流田Projectさんが担当してる。イメージ的にニコ動出身でアニソンカバーをメインでやってる感じでどんな曲を作る方たちなんだろう…と思ってたけど、すごくカッコいい。サントラ見たらBGM35曲もあった。どの曲も印象的でシーンがまじまじと思い浮かぶ。

曲は脅威の18曲。お気に入りは花鳥風月の「ぐらぐら」。作中で初めて流れる曲で、イントロからすごく印象的。これがめっちゃカッコいい。
ドクターフラワーの曲はそのうち9曲。花井さんの遺作「Calling」がお気に入り。朝川老人のバンド時代のカバー曲である「Dearly LOVE」や、「Ready,Steady,Go!」なんかもカッコいい。

まとめ

バンドというかロックバンドに苦手意識があった対馬馨がここまでのめり込む音楽って、バンドって、ロックってすごい。
でも楽しいとか最高!とかそれだけじゃなくて、売れない苦しさとかそういうのもあって。でも売れてからの葛藤や不安も描かれていて、こういう創作活動してる人は、誰しもがそういう感情を持ってるかなって。そういうのがリアルで面白かった。

1周クリアしてこれ書いてるんですが、終わってからもまたMUSICUSやりたい!みんなに会いたい!って思ったんだよね。こういう気持ちって久しぶりかもしれない。そのくらい私個人的にはすごく楽しかった作品。感極まって泣いたところも多かったしね。


オバイブ最終作が発表されたオバフェスにたまたま足を運んだことからこの作品のことを知って、瀬戸口廉也さんのファンである私はCFを支援したのだけれど、制作報告で制作過程から色々裏側を見せてもらったりして個人的には楽しかった。瀬戸口さんの報告日誌は回数こそ少ないけど、ただ文章を読めるだけで幸せだった。
当初の完成から延期に延期を重ねてしまったのは少し残念だったけど、いろいろなアクシデントもあったし、チームでの制作なのだし、そこは仕方ないのかなと思いますが…。

でもこの作品でオーバードライブがなくなってしまうのは悲しい。もっともっと音楽のゲーム作ってほしい。予想以上に儲かったらもしくは…って話なんで、できる限りMUSICUSにお金を投資したい。
今は花鳥風月のアルバムのCFやるかどうかって話が出てるみたいなので、是非やってほしいなー。是清に会いたい…。

あ、MUSICUSのCFのリターンはまだ残っていて、瀬戸口さん書き下ろしの小説が春頃に発送予定みたいです。
アンケートは是清関連の話を、とお願いしておきましたがどんな話になるんだろう。届く前にもう1周くらいしたい気分です。

おわり。
また気が向いたら更新しに来ますノ